あれは5年程前・・・京都へ旅したときのこと。
ただありきたりじゃない場所に行きたいという軽い気持ちで、
ちょっとマニアックなガイドブックに載っていた河井寛次郎記念館というところを訪ねました。
寛次郎さんが誰なのか、まったく知らないままに・・・。
そして足を踏み入れたその瞬間、これは・・・ という予感がざわざわと広がりました。
それは徐々に、これだ という確信に変わっていきました。
あぁ、なんて馴染む、居心地のいい、この空間。
・・・静謐。
体の奥底から湧き上がってくる、静かで力強い喜びがありました。
5年前のワタクシ・・・すっかり浸っています。
河井寛次郎さんは、大正末期から民藝運動の中心メンバーとして活躍した陶工です。
河井寬次郎記念館は、彼の住まい兼仕事場を公開したものです。
館内の随所にある作品のみならず、
家具や調度類も寬次郎氏のデザイン、あるいは蒐集によるものだそうです。
この居心地の良さは、なんなんだ?!と衝撃を受けました。
もともとアートにもインテリアにも興味があった私ですが、ここで
暮らしの中に溶け込む美というものに初めて出会った気がします。
美術館でアート作品と向かい合う、あの高揚感、緊張感とは異なる、
日常的な美に囲まれる喜び。
インテリアにアートを取り入れるという試みはよく見かけますが、
単に取って付けたようにアート作品を飾ってみる、という次元ではなく、
空間全体で完成する、生活に密着した美に目覚めました。
上っ面ではなく、気取らない、自然な形でのインテリアとアートの融合がそこにありました。
私にとっては、なくしていた大切なものが見つかったような、なつかしいような、
すんなりと自分のなかに落ちていく邂逅でした。
大げさにいえば、ここでの体験が、
私の新たなインテリア観を確立する礎となったのです!
もちろん、洋室のマンション暮らしではこの通りにはいきませんが、
この後徐々に、マンションで実践できる、
私なりの「暮らしの中に溶け込む美」を追求するようになるのでした。
河井寛次郎記念館を訪問後、民芸そのものにも深く魅了されるようになり、
少しずつ集めてインテリアに取り入れています。
過去のエントリーでご紹介した、
倉敷ガラスや芹沢銈介も民芸です。
不思議と海外インテリアにマッチするんですよ♪
民芸については、また詳しく書きたいと思います。
河井寛次郎記念館 - 京都に行かれた際は、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。
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私のインテリア観に影響を与えた男
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