心はずむ海外インテリアを、日本のマンションで楽しもう!
こんにちは、千葉まどか◆おしゃれ部屋エバンジェリストです。
3月の初め、渋谷区松涛にある戸栗美術館を訪ねました。
東洋陶磁器専門の美術館です。
震災後、もしかして割れてしまったものもあるかもしれない…と心配になり、
戸栗美術館のブログを確認してみたところ、作品に被害はなかったとのこと。
よかったです。。
展示内容は「鍋島展 ―献上のうつわ― 」。
ナベシマって誰よ?という方のために…
ときは江戸。
佐賀藩の鍋島家が、将軍などへの贈り物として作っていた磁器が
「鍋島」です。
つまり、一般庶民はいくらお金を出しても手に入れることを許されない、
セレブ専用のうつわだったのです。
そうした性格のものですから、藩の威信をかけて作られ、
その芸術性は、どこまでもどこまでも高められていったのでした。
鍋島の上品かつ独創的なデザイン性の高さには、本当にうっとり…
まさに日本最高峰のうつわといえましょう。
まあ、落ち着いて(→私)、その美麗さをご覧いただきましょう!
皿という小さな丸い宇宙いっぱいに、絶妙にレイアウトされた3つのひょうたん。
紐の動きまでいきいきとデザインされていて、波の上でたゆたっているようです。
地の色は白。両脇のひょうたんを塗りつぶし、背景も模様で埋めつくすことで、
真ん中の白いひょうたんを浮かび上がらせるニクいテクニック!色もきれいですねぇ。
青磁(緑色のところ)と染付け(青い部分)の組み合わせの鍋島は、幕府財政が厳しい時期に、
色数を抑えよという倹約令のもとにつくられたものですが、むしろ2色なのがステキ!
荒波と水車を組み合わせたデザインは、今見ても斬新ですが、この時代としては超斬新ですね。
こちらは私のちょーーお気に入りです!
だって、磁器であるお皿の中に磁器である壺があるのですから!その遊び心ったら!
だって、壺のひとつひとつが違う色や柄だったりするのですから!凝ってるにも程があります。
しかも柄のひとつがひび割れですよ!もはや柄ではありません。
江戸時代にテクスチャーを表現するという概念があったとは、驚異的です。
こちらは鍋島によく見られる、吉祥文様といわれるお宝満載の柄です。
献上品ですから、お祝いの時などに使われたのでしょうね。
色鮮やかに賑やかに、いい仕事してますね!
舞うように優美に飛ぶ、二羽の鳳凰を描いたお皿です。
背景は、あえて無地にすることで空間を表現し、鳳凰の優美さ、端正さをさらに引き立てています。
私が鍋島に初めて出会ったのは、栃木県足利市の栗田美術館でした。
よく知らずに寄ったのですが、伊萬里、鍋島をコレクションした世界最大級の陶磁美術館で、
質・量ともに圧倒的な、それは素晴らしいものでした。
世に数々の陶磁器がある中で、創立者の栗田氏が他のものにはまったく目もくれず、
伊萬里と鍋島だけを、これでもか!というほど集めたこの美術館は、
鬼気迫るものさえ感じました。
来ていたおばさま達が「まだあるの~」とネを上げていたほどの量なんです!
もちろん、量だけでなく、質や展示環境も素晴らしいですよ。
東京からもさほど遠くありませんので、ぜひ一度訪れることをおすすめします。
権力というものは、いろいろな側面がありますが、
洋の東西を問わず、芸術をあり得ないほどの極みに到達させるのに一役買ってきた、
という事実は見過ごせませんね。
お読みいただいてありがとうございました!
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セレブ専用のうつわ – 鍋島
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昔の工芸品や絵は単に装飾されたり写実されたりではなく、あきらかに今でいう「デザイン」されているものが沢山ある気がします。
デザインの一つの定義が生活に関わるものを心地よくさせる手段だとしたら、やはり大衆に指示されるセンスがそこに表れるんでしょうなあ。
ひょうたんの色使いきれいです。平面的でデフォルメされてる具合もマンガ文化に通ずる民族性なのかしら?と想像してしまいまする。
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>yumoさん
本当ですなあ。作っているのが無名の陶工というのも注目に値しますね。
日本人の民族性という意味では、私はダジャレ好き(昆布→喜んぶ だから目出度いとか、百から一歳引いて白寿とか)にも注目していますよ。